施工事例
バリアフリーで機能的な切り妻の家
施主様は84歳の男性。家の老朽化に伴う立て直しです。
土地は間口が狭く縦に長い変形地。隣家との距離が近く、増築を繰り返されていた旧邸は1階にはほとんど陽が差し込みませんでした。一日中照明が必要な暗い居間を明るい空間にしたいとご要望がありました。
北側のキッチン壁一面は日当たりや換気の悪さでカビが発生。昔の家は断熱性や気密性をあまり考慮されておらず、カビが発生しているお宅がけっこうあるのです。
健康にも良くないですし、快適な暮らしをしてほしい。施主様、家族、工務店、みんなの思いと共に家づくりがはじまりました。
84歳とは言え、とてもお元気で活動的な施主様。しかしながら、ご高齢ということで将来車いすや介護が必要になった時を考えた間取りが不可欠です。
打ち合わせには、別で暮らす娘様も同席され「車いすが」「間口が」との声に「誰が車いすやねん!」と施主様から突っ込みが入る微笑ましい家族の会話がたえませんでした。
そうして、明るさと使いやすさを配慮した切妻の家が誕生しました。
切妻とは家の形状が四角の場合は2面だけで屋根が構成される形状のこと。シンプルな形状なので雨や雪に強く、世界中で採用されている形式です。
今後を考慮したプラン
- ・介助者も一緒に入れるトイレ・・・トイレは1.5畳。車いすのまま入れるドアを設置し介助者も余裕で入れます。
- ・引き戸とバリアフリー・・・玄関からLDKに繋がるホールは2枚片引き戸にし、車いすでの自走にも充分な広さを確保しています。リビング奥にはフローリングとバリアフリーで繋がる畳スペースで、扉を開けておくと広々とした空間。作り付けの棚は趣味の置物をたくさん飾れるようワイドサイズにしました。
- ・立ったままお世話ができる仏壇・・・仏壇スペースは施主様のご希望で、座らずにお世話が出来る高さにし壁内に治めました。お世話しやすいようリビングにあるのも特徴です。
- ・邪魔な出っ張りは作らない・・・車いすや歩行補助機の使用を念頭に置き、LDKはなるべく角を作っていません。引き戸を開けておくとフルフラットになる仕様です。生活動線の邪魔になる要素を可能な限り取り除きました。
2階は娘様のカルチャー教室
ちょっとお茶を出したり、手を洗うのに便利な洗面台を設置。造作棚は冷蔵庫を置きミニキッチンのようにも使える仕様にしました。トイレや2階の柄の壁紙は教室の生徒さんを明るく迎えたいとの娘様の選択です。
LDK
明るく収納力のあるリビング
趣味の置物をたくさん飾れる大容量の棚
立ったままお世話ができる仏壇は趣味棚の隣に
大開口の廊下引き戸
バリアフリーの和室
サニタリースペース
リビングから直接つながる利便性の良いバスルーム
車いすや歩行補助器でも行き来しやすいドア
2階カルチャー教室
教室の生徒さんを迎える広々とした空間。
アクセントクロスはレッスンを行う娘さんの一目惚れ。生徒さんを明るく迎えます。
外 観
施主様のイメージと周りの家との調和を考え切り妻屋根に。
お孫さんや娘さんが色や玄関を選び、かわいくシックな外観に決定。
趣味や仕事を楽しみ、将来にもしっかりと備える、ご家族のこだわりがつまった家となりました。
施工:兵庫県神戸市