耐震への想い

2025年の4月から建築基準法改正により、これまで以上に新築の耐震性能が求められるようになりました。
地震に強い家が増えるのは喜ばしいこと。
本来ならそうなのですが「素直に喜べないところもある」というのが本音です。

それが何なのか、順を追って語ります。
地震に強い家の少し踏み込んだ話です。

大まかに分けると3種類。耐震住宅を建てる工務店の事情

1つめは「地震に強い家を建てたい」と思って建てる工務店

はい。私たちHUTTです。2011年から「命を守る家」を合言葉に耐震住宅だけを建てています。機能的な家もオシャレな家も素晴らしいものですが、まずは災害への心配事を減らしましょう、という立ち位置です。
耐震住宅の「専門店です」と、胸を張って言えるように。

2つめは「ビジネスチャンスだ」と思って建てている工務店

耐震性能という価値。耐震等級という個性。競合他社にはない強みを求めて耐震住宅を建てています。

3つめは「建築基準だから守らないといけない」と思って建てている工務店

住宅は基準を満たさないと建築許可が下りません。課題をクリアするために耐震工法を取り入れています。

一言で言うと“入口が違う”でしょうか。ブリーダーに例えるなら、犬が好きで始める、犬種のブームに乗って始める、売上確保の手段として始める。そんな感じです。

 

知識と経験で差が出る、耐震性能の高め方

極論ではありますが、専門ではない工務店でも構造計算ソフトを駆使すれば耐震等級3のプランを作ることができます。
ここで「プランの質が気になる」と思われた方は鋭いです。
「プランの正確性」や「どうやって耐震性能を確保しているか」などにも是非目を向けていただければと思います。

もし「耐震基準が厳しくなったので、これだけの壁が必要です」という説明があれば、それは壁量で強度を高めている可能性が高いです。ソフトを操作をする人の知識が問われます。

逆にプランを見て「これだけ間取りを広く取っているのに、地震に強いの?」と思われた場合は、許容応力度計算や許容応力度等計算、保有水平耐力計算などを元に強度を算出している可能性が高いです。この場合は自社か外注かの違いがあります。

HUTTはSE構法による許容応力度計算を採用しておりますので、間口の耐震住宅または非住宅を建てるのは得意です。

耐震基準を満たせない家には建築許可が下りない

そのため耐震等級3の住宅であれば、地震による倒壊を防いでくれる可能性が高いといえます。そして、強度が高い家ほど災害後も住み続けられることを付け加えておきます。

耐震住宅に対する工務店ごとの思い入れの違い、同じように見える耐震性能の違いが少しでも伝われば幸いです。もし「耐震性を取るか間取りを取るか」といった選択を求められた際、この記事を思い出していただけると嬉しいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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